講演記録集


海上の森から考える連続公開講座

森・水・生きもの


 この講演記録は、2000年秋に行った上記の連続公開講座を記録したものです。この講座は「国営瀬戸海上の森里山公園構想をすすめる連絡会」(2005年に解散)の主催で行われ、冊子として刊行されたものですが、森や生きものを考える上で大変優れた内容ですので、講演者の了解を得て本ホームページに載せさせていただきました。各講演は、冊子の体裁をそのままのPDFファイルにしましたので、そのまま印刷ができます。冊子では読みやすくするために手書きのカットを入れてありますが、ここでは容量を減らすために省かざるを得ませんでした。

 下記の構成になっていますので、どこからでもクリックしてください。

日時・講演者 演   題 内      容
ま え が き 公開講座開催の経過、趣旨などが書かれています。
第1回 2000年9月30日
林 進さん
岐阜大学教授、森林生態学
雑木林の世界
人と自然の味な関係
雑木林の成り立ちについて考え、人と自然が暮らしの中で多様に結びつき、その結果、美しい風景や生物の多様性が育くまれてきた歴史を踏まえ、自然保護のあり方について再考する。
第2回 2000年10月14日
伊藤 勝さん

愛知県農地林務部森林保全課課長補佐
森林のはなし
人工林を中心として
人工林の役割、現状、管理手法。海上地区の人工林の歴史、現状、将来像。森林の見方、樹の生き残り戦略、森の叡智。ふれあいの森、これからの人と森の係わりのあり方を考える。
第3回 2000年11月11日
波田 善夫さん

岡山理科大学教授、植物生態学
水と森と湿地 海上の森の地質と地形、そしてその表面と土の中を流れる水は、森の自然を多様なものにしている。少なすぎる水、そして多すぎる水。
森の自然を水の動きから考える。
第4回 2000年12月2日
目崎 茂和さん
南山大学教授、環境学
森と風水学 東アジアの民にとって森は、伝統的な東洋の環境思想である「風水」によって捉えられてきた。琉球王府では、森林はすべて風水によって管理、創造されてきたし、日本での里山「鎮守の森」や神々の社「聖地」に関しても、風水の視点からの理解が大切だ。
第5回 2000年12月16日
木村 光伸さん
名古屋学院大学学長、動物生態学

森を喰らい、森を創る
―アマゾンのサルの生態から―

アマゾンのサルは森の動物です。大森林の多様な環境の中で彼らは生まれ、分化し、共生系の一員として今生きています。彼らの生き方、生きる知恵を通して動物と森との関係を考える。
第6回 2001年1月27日
室田 武さん
同志社大学教授、経済学
雑木林が育む
水土と文化
かつて里山の雑木林は薪炭林であり、人の欲望を満たす経済林でした。経済林であるはずの雑木林が野生動物や植物にとって極めて棲みやすい空間でもあった。1950年代末以降の石油革命により、雑木林から経済的利益を求めることをやめた結果、人の手が入らないことにより荒れ放題になってしまった。雑木林の豊かさを回復するにははどうすればよいのか、新しい可能性を考えてみたい。
臨時講座 2001年1月15日
田端 英雄さん

岐阜県立森林文化アカデミー教授、
植物生態学
里山とは何か
里山をどうすればいいか

―愛知万博を里山の視点から
          考える―
田んぼの畦に生育する満鮮要素植物から、日本の里山と朝鮮、中国東北部の植生との関連や、日本の里山の位置づけを議論している。また、里山を再生利用可能な資源としてとらえることによって里山から持続可能な社会を展望し、万博についても論じる。