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2004年10月30日発起人会にて合意
「海上の森の会」設立趣意書 海上の森は、都市近郊のいわゆる里山として、人と自然のさまざまな営みを見守りつづけてきた。歴史的には自然と人間活動の大きなうねりの中で、時には植生を撹乱され、荒廃した山地に悩まされ、しかし一方ではその暮らしに豊かな恵みをもたらし、あるいはまた海上とその周辺地域に持続する生活・文化を生み出す母体として、人々の暮らしを支えてきた。1980年代後半以降、「海上の森」は2005年日本国際博覧会の会場予定地として、自然をめぐり、また地域活動や里山の保全・活用のあり方をめぐり、多くの議論の渦中にあったし、愛知万博のあるべき姿を模索するための知恵のたたき台を提供する場として注目されもした。それは、自然を愛する人々の間にも不信感や対立を生み出しはしたが、同時に、多くの人々の自然への関心を大いに呼び起こし、自発的な自然体験活動や里山保全の活動を喚起し、膨大な自然情報を蓄積し、活用することを通して、「海上の森」の価値を高め、今後の県民活動へと期待をつなぐことともなった。
博覧会会場計画の紆余曲折の末に、「海上の森」はその姿を留めることとなった。地域住民も、自然豊かな地としての海上を愛するものも、里山活動を担おうとする献身的な活動者も、そしてこれまで里山の保全に多様な想いを持って参加してきた県民その他の活動参加者も、この地にどのような里山像を描くことができるだろうか。私たちは海上の歴史に学び、海上の自然や、生活・文化を将来にわたって継承しなければならない。さらに多くの県民・市民が「海上の森」の将来に、21世紀の地域づくりへの期待をもって参加できるような仕組みが、いま求められている。
「海上の森」は大都市圏に残る貴重な自然であり、里山として他に類を見ない生物多様性に富んだ地域である。それだけに現代人が失いがちな自然に触れる喜びを身近に実現する空間であるとともに、自然を厳に保全する地域であることもまた忘れてはならない。そこでは保全と活用が対立的に語られるべきではない。
里山と自然をめぐる長い議論はいまも途切れることなく続いているが、今ようやくひとつの流れが形成されつつある。私たちは、「海上の森」のもつ自然の価値を損なうことなく、海上に生きた人々の歴史を忘れることなく、自発的な県民の取り組みを通して、「海上の森」の自然を守り、海上ならではの里山文化を創生し、県民が多様な自然観を並存しつつ、協働して、都市近郊に残された自然と持続的に関わりあえるような地域づくりを目指したいと考える。
この身近な自然でのさまざまな取り組みに、私たち愛知県民とその活動に共鳴する多くの市民が、積極的かつ主体的に、そして持続的に関わるためには、県民・市民が自発的に参加し活動する組織を立ち上げ、県・地域と協働して新たな里山文化形成の取り組みを進めることが何よりも重要である。「海上の森の会」は、多くの人々が「海上の森」での活動に参加することで支えられる組織である。自然や里のあり方をめぐる意見の相違を、対立ではなく、交流と模索そして何よりも主体的活動をもって乗り越え、共に学びあい、発展する、開かれた組織となりたい。
こうした「海上の森」への想いを体現するために、県民の活動組織である「海上の森の会」を設立するものである。多くの県民の皆さんがこの試みに参加されて、自分の手で自然にふれ、自然を守り、自然と関わる喜びを共有されることを期待したい。
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